アウトリーチ活動のご報告(本の寄贈)
高専生・高校生に向けたアウトリーチ活動として、当センターを兼務している若手教授の一般向けの著書を寄贈しています。
この度、その第一弾として、阪大の理系学部に進学実績の多い高校161校に向けて発送いたしました。
今後、さらに宛先を追加する予定です。
ここに、今回送付した2冊の本と、著者からのメッセージをご紹介いたします。
藤井 啓祐 著
岩波書店 1,500円(税別)
(著者からのメッセージ)
量子力学は電子や原子など直接目では見えない世界を支配する最も基本的な物理法則です。量子力学の世界には直観的には理解し難い不思議な現象がたくさんありますが、そのような現象をコンピュータの原理として利用する次世代コンピュータ、量子コンピュータが世界的に注目を集めています。量子コンピュータの研究は、物理と情報という全く異なる2つの分野の融合領域であり、知的好奇心をそそる基礎的な研究が、実用に直結するという、現代の科学技術の数少ないフロンティアだと思います。量子コンピュータの実現にはまだ10年、20年の研究開発が必要といわれていますが、みなさんがちょうど私の年齢(36歳)になるころには量子コンピュータが使われている時代になっていると思います。そんな量子コンピュータを大学で一緒に創りませんか?量子コンピュータへの熱い気持ちを本に書き込みましたので、ご一読いただければ幸いです。
大阪大学 基礎工学部 電子物理科学科
大学院基礎工学研究科 システム創成専攻 電子光科学領域
教授 藤井啓祐
「超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義」
橋本 幸士 著
講談社 1,500円(税別)
(著者からのメッセージ)
高校で学ぶ物理は、いろいろな物理法則を知り、それを様々な状況に適用する練習です。それはそれで将来役に立つものですが、一方で、いま現在も、新しい法則を発見し宇宙の理解を進めている科学者が世界にたくさんいます。科学者がまだ理解できていない宇宙の現象は非常に広く、科学は「わからないことが当たり前」の世界で日々進展しています。この本は、高校の物理の勉強の助けになるというよりも、本当の最前線の科学では科学者がどんなふうに考えているのか、を伝えるためのものです。ぜひ、読んでみてください。
大阪大学 理学部 物理学科
大学院理学研究科 物理学専攻
教授 橋本幸士
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